全国保険医団体連合会(保団連)は2月6日、厚労省内で記者会見を開き、子どもを持つがん患者を対象に実施している高額療養費制度の自己負担限度額引上げに伴う影響調査の中間集計結果を発表した。患者の多くが限度額引上げの影響について「治療の回数を減らす」などと回答しており、不安が広がっている状況が浮き彫りになった。
政府は高額療養費制度について、今年8月から自己負担限度額を所得区分に応じて2.7%〜15%引き上げる方針を示している。
保団連はこれを受け、子どもを持つがん患者でつくる「キャンサーペアレンツ」有志との共同調査を1月30日から開始。2月5日までに284人のがん患者から回答が寄せられた。
限度額引上げの治療への影響について284人中173人(61%)が「治療の回数を減らす」、130人(46%)が「治療を中断する」と回答。高額療養費制度の多数回該当(年4回以上)になったことがある患者は192人(68%)に上った。
自由記載欄には「引上げになり何か支出を減らす必要があれば、真っ先に自分の治療費を減らす」(2人の子どもを持つ50代の乳がん患者)、「まだ生きなければと頑張ってきたが、上限が引き上げられれば治療を断念すると思う」(2人の子どもを持つ30代の肺がん患者)などの声が寄せられている。