川崎病は,乳幼児に好発する原因不明の血管炎である。患者数は増えており,2018年には過去最高の1万7364人に達した。罹患率も,小児人口減少のため患者数の増加以上に上昇し,0~4歳人口10万人対359.1(2018年)であった。留意する合併症は,冠動脈病変を含めた心合併症で2.6%に生じ,2.2%に冠動脈拡大・瘤を認めた。
「川崎病診断の手引き 改訂第6版」に基づいて診断する。6つの主要症状〔①発熱,②両側眼球結膜の充血,③口唇の紅潮,いちご舌,口腔咽頭粘膜の発赤,④発疹(BCG接種痕の発赤含む),⑤急性期の手足の硬性浮腫,手掌足底・指趾先端の紅斑,回復期の指先からの膜様落屑,⑥急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹〕のうち5症状以上を呈する場合は,川崎病と診断する。
ほかに川崎病を疑う所見としては,トランスアミナーゼ値の上昇,尿中白血球増加,回復期の血小板増多,BNP・NT pro BNPの上昇,弁膜症,心膜液貯留,胆囊腫大,低アルブミン血症・低ナトリウム血症がある。
主要症状がそろわなくても,他疾患が否定され,冠動脈病変を呈したりした場合,不全型川崎病と診断する。
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