日本産科婦人科学会は8月29日、子宮頸がん予防ワクチン(HP
Vワクチン)接種の勧奨再開を求める声明を発表した。HPVワクチンを巡っては、接種後の重篤な副反応報告が相次ぎ、厚生労働省が2013年6月に接種勧奨の一時中止を勧告してから2年以上が経過している。
声明は、ワクチン成分と副反応とされる慢性疼痛や運動器障害などの症状との因果関係を示す科学的根拠が得られていないにも関わらず、接種率が「ほぼゼロ」まで低下していると指摘。ワクチンの有用性から世界保健機構(WHO)などが接種を強く推奨しているとし、このままでは世界で日本だけが子宮頸がん罹患率の高い国となる可能性があると懸念している。
また、全国47都道府県に協力医療機関が設置されたことで診療体制が整ったとし、19日に日本医師会と日本医学会が合同で作成した診療ガイドラインにも言及。安心して「ワクチン接種を受けられる環境が整ってきた」とし、接種勧奨の早期再開を要望した。