化学物質による子どもの健康影響を解析する環境省の追跡調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の5周年記念シンポジウムが16日、都内で開かれ、エコチル調査コアセンター長の川本俊弘氏らが集計結果の一部を紹介した。
調査チームは2011年に生まれた9369人の新生児と母親から採取した血液・尿、質問票の回答を解析。世帯収入、妊娠高血圧症候群などの因子を調整した上で出生児の体重を推定すると、母親に喫煙経験がない場合の平均体重は男児3096.2g、女児3018.2gだった。一方、母親が妊娠中も喫煙を継続した場合では男児2959.8g、女児2893.7gと、喫煙の有無によって男児で136.4g、女児で124.5gの差がみられ、喫煙と低体重出生との関連性が示された。
質問票調査によって、花粉症の罹患率に地域差があることも分かった。花粉症にかかったことがある3歳児の割合は、甲信で約10%と最も高く、次いで京都6%、神奈川5%と続いた。最も少なかったのは沖縄で1%未満だった。