ディオバン論文不正事件の公判が17、18日、東京地裁で開かれ、Kyoto Heart Study(KHS)の主任研究者だった京都府立医大元教授の松原弘明氏が出廷し、検察側の証人尋問を受けた。試験参加医師に不正の指示をしたかと問われると「断じてありません」と否定。さらに、論文の統計解析担当はノバルティスファーマ社元社員の白橋伸雄被告人だと証言した。
KHSの実施経緯については、関連病院と医局を1つにまとめるためと奨学寄附金を得るために自身からノ社に提案したと説明。臨床試験の経験者が大学にはいなかったため、ノ社のプロダクトマネージャーから被告人を紹介された。
論文の疑義発覚後も、「白橋さんを信頼していた」ものの、データ改竄を認識したきっかけについては、「一昨年の検察の取り調べの際に、自分の患者のカルテを見てから解析用のデータを見たら、イベントが書き加えられており、改竄を確認したため」と証言した。