【Q】
喫煙者で,肺癌になりやすい,あるいはなりにくい遺伝子が見つかっているか。(和歌山県 T)【A】
典型的な遺伝性疾患を除いては,多くの疾患は環境と素因が関係している。肺癌の発症には遺伝的要素よりも喫煙や大気中の化学物質などの環境因子のほうが関係すると考えられているが,喫煙者が全例肺癌を発症するわけではなく,重喫煙者でも発症しない例が多く存在することも事実である。遺伝子を構成しているDNAの配列の個体差(遺伝子多型)と疾患の関係が,最近の解析技術の飛躍的進歩により,全ゲノム領域を対象とした疾患感受性遺伝子検索,ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study:GWAS)などにより明らかとなってきている。
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