【Q】
非定型肺炎の乾性咳嗽患者で,第3世代の経口セフェム系薬で症状が改善しない場合,ジスロマックが奏効した。クラリスが前投与されている場合,薬理学的に同系統のジスロマックを投与する意義はあるか。 (神奈川県 O)【A】
Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ)による呼吸器感染症に対する治療としてお答えする。マイコプラズマは細胞壁を持たないため,細胞壁合成阻害を作用機序とするβ-ラクタム系薬は無効であり,マクロライド系薬,テトラサイクリン系薬,キノロン系薬などが効果がある。中でも,エリスロマイシン(EM)やクラリスロマイシン(CAM)などの14員環マクロライド系薬,および15員環マクロライド系薬のアジスロマイシン(AZM)は,マイコプラズマに優れた抗菌力を有し,第一選択薬として用いられる。
1) Akaike H, et al:Jpn J Infect Dis. 2012; 65(6):535-8.
2) Morozumi M, et al:J Infect Chemother. 2010; 16(2):78-86.
3) Kawai Y, et al:Antimicrob Agents Chemother. 2013;57(5):2252-8.
4) 小児呼吸器感染症診療ガイドライン2011追補版(平成25年2月19日)「小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方」
[www.jspid.jp/pub/sguideline/2011_tsuihoban.pdf]