【Q】
8年前にS状結腸癌のため腹腔鏡下手術を行った70歳,男性。その後,吻合部狭窄が進行し,イレウスで入院しました。腹腔鏡下手術後の吻合部狭窄の発症頻度を教えて下さい。【A】
吻合部狭窄は,縫合不全,吻合部出血と並ぶ,大腸手術における吻合部に関連する代表的な合併症の1つです。吻合部狭窄には,器械吻合における自動吻合器のステープルと腸管壁の間に形成される膜様狭窄と,縫合不全や虚血によって生じる周囲組織の強固な線維化による瘢痕性狭窄があります。その定義や診断基準は,臨床症状がある場合や吻合部を内視鏡ファイバーが通過しない場合などと言われ,また,そのファイバーの径も10~20mmと様々で,一定の基準はありません(文献1)。
1) Luchtefeld MA, et al:Dis Colon Rectum. 1989;32(9):733-6.
2) Garcea G, et al:Dis Colon Rectum. 2003;46(11):1451-60.
3) Schlegel RD, et al:Dis Colon Rectum. 2001;44(10):1464-8.
4) Neutzling CB, et al:Cochrane Database Syst Rev. 2012;2:CD003144.
5) Lucha PA Jr, et al:Dis Colon Rectum. 2005;48(4):862-5.
6) Ambrosetti P, et al:Dis Colon Rectum. 2008;51(9):1345-9.