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閉塞性肺疾患治療における新規吸入薬剤の現況と今後

No.4700 (2014年05月24日発行) P.56

弦間昭彦 (日本医科大学呼吸器内科教授)

登録日: 2014-05-24

最終更新日: 2016-10-26

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気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患(COPD)の長期管理薬には,長時間作用性β2刺激薬(LABA), 長時間作用性ムスカリン拮抗薬(LAMA),吸入ステロイド(ICS)があり,フルチカゾン+サルメテロール(アドエアR),ブデソニド+ホルモテロール(シムビコートR)の2種類のICS+LABAの配合薬が汎用されている。近年,LABAではインダカテロール(オンブレスR),LAMAではチオトロピウム(スピリーバR)に加えグリコピロニウム(シーブリR)の長期処方が可能となった(文献1)。
新規配合薬では,気管支喘息患者に適応のICS+LABAとしてフルチカゾン+ホルモテロール(フルティフォームR),フルチカゾン+新規LABAビランテロール(レルベアR)の2剤が,またCOPDへのLABA+LAMAとしてインダカテロール+グリコピロニウム(ウルティブロR)が処方可能である。レルベアは,1日1回型で利便性の向上が見込める。ウルティブロでは呼吸機能改善,増悪頻度改善の報告はあるが,よりエビデンスが求められる。新規LABA+LAMAの臨床試験が進行し,ムスカリン拮抗作用とβ2刺激作用を併せ持つ気管支拡張薬(MABA)の開発と,ICS,LABA,LAMA3剤によるtriple therapyの効果に関する臨床研究が進められている(文献1,2)。

【文献】


1) Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD, Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD). updated 2014.
[http://www.goldcopd.org/.]
2) GSKプレスリリース
[http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/ 2013_01/P1000781.html]

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