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ロボット支援手術

No.4704 (2014年06月21日発行) P.61

梅本幸裕 (名古屋市立大学腎・泌尿器科講師)

登録日: 2014-06-21

最終更新日: 2016-10-26

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2012年にロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(文献1)が保険収載されてから,急速にロボット手術が普及している。保険収載前の自費入院時代は全国で30台程度の稼動であったロボットは,現在170台ほどにまで広がりを見せている。
日本における前立腺癌治療は,20世紀まではホルモン療法や放射線療法が主流であり,開腹による前立腺全摘除術は限られた施設で行われていた。その後21世紀に入り,小切開手術あるいは腹腔鏡手術と広がりを見せ,手術治療が中~大病院において可能となった。
手術が標準治療となった現在において,ロボット支援手術の導入はまさに革命的と言える。患者側にとってのメリットはもちろんのこと,腹腔鏡を経験した医師にとっては,このロボット手術が外科医としての寿命を延ばした。また,助手の負担についても体力的に楽になったと言える。手術方法においても,このロボット手術ならではの繊細な動きが可能になり,術後の合併症軽減に様々な工夫がなされている(文献2)。
ただ,導入にあたっては費用の問題が改善されないことには,国民皆保険の日本全国の施設に導入可能とはならない。現在は前立腺全摘除術に限っての保険収載であり,腎癌に対する部分切除術や膀胱全摘除術といった手術にも応用されつつあるが,自費診療になることが前提となっている。今後は泌尿器科に限らず,多くの診療科で導入が検討されるべきであり,また患者にとってのメリットも高くなると考えられる。

【文献】


1) Tewari A, et al:Urology. 2002;60(4):569-72.
2) Kojima Y, et al:Int J Urol. 2013;20(11):1052-63.

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