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がん緩和ケアに関する医療者への教育研修プログラム 【医師・看護師・薬剤師・セラピストの知識と技術の均てん化が目的】

No.4782 (2015年12月19日発行) P.56

松本禎久 (国立がん研究センター東病院緩和医療科)

登録日: 2015-12-19

最終更新日: 2016-10-26

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がん患者・家族に対して緩和ケアが適切に提供されるためには,医療者への緩和ケアに関する教育が重要である。ほかの領域と同様,がん緩和ケアの領域においても,知識と技術の均てん化を目的に,各種の教育研修プログラムが整備されてきた。
基本的な緩和ケアに関する知識と技術の習得を目的として,がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会(PEACE)が,医師10万人の受講を目標に2008年度から実施されており,15年3月末時点で5万7764人の医師が受講を修了している。
小児がん医療に携わる医師に対する緩和ケア研修会(CLIC)は,小児科医を対象とした小児がん緩和ケアに関する基本的な知識や技術を身につける教育研修プログラムであり,12年度から実施されている。現在は小児科医だけではなく,緩和ケアチーム員に対する研修会も行われている。
医師以外の職種を対象とした教育研修プログラムとして,終末期ケアや緩和ケアを提供する看護師が対象の終末期ケアに必須とされる技能修得を目的としたELNEC-J,専門的に緩和ケアに携わる薬剤師を対象に態度教育を中心に行うPEOPLEなどがある。また,がんのリハビリテーション研修会のように,医師・看護師・セラピストがチームで参加するような教育研修プログラムも実施されている。
今後は,さらに各種の教育研修プログラムを充実させることが重要と考えられる。一方で,プログラムの開催や参加が,必要とされる労力・費用などに相応しているか検討する上で,各プログラムの有用性を検証することが望まれる。

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