冬本番を迎え、全国各地で毎週のように開催される市民マラソン大会。今や大会に欠かせない存在となった「ランニングドクター」の生みの親で、医師ランナーの全国組織「日本医師ジョガーズ連盟」の代表理事を2008年から務めている。ランニングドクターとは、ランナーとして競技に参加しつつ医療支援活動を行う医師のこと。
2007年の第1回東京マラソンで約100人の医師を集め、無事に大会を終えたことでその存在が注目を浴びた。採用基準は3年以内にCPA(心肺停止)講習を受講済みで、フルマラソンを“余裕を持って”完走できること、となかなかハードルが高い。しかしランナーの安全安心を確保するには必要な条件だという。連盟の会員数は全国で400人を超え、支援大会は年間34に上る。
これまでの支援大会でCPA発生事例は30件、そのうち3件は残念ながら救命できなかった。「CPAは5万人に1人は発生すると考えたほうがいい。例えば約3万5000人が参加する東京マラソンでは毎年起こっても不思議ではありません。AEDが到着するまでの数分間はその場にいる人が勇気を持って胸骨圧迫することが大切です。ランニングドクターはなるべく早く現場に到着し、現場責任者として行動します」
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