厚生労働省は2月20日、リスクの高い「第一種再生医療等」を無届けで実施していたとして、埼玉県所沢市の診療所に対し、「再生医療等の提供の一時停止」を命令した。
再生医療については、一部実用化が始まっている。
しかし新しい医療技術のため、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(2014年11月施行)でリスクの程度に応じて3分類し、提供までの手続きが定められている。同法では細胞加工業者の要件も定めている。
同院が実施していたのは、アンチエイジング等の目的で他人の臍帯血を用いた再生医療で、最もリスクが高い第一種に当たる。医療機関が第一種を実施する場合には、提供計画について厚生労働大臣の認定を受けた「特定認定再生医療等委員会」の審査を経ることが必要。提供の開始は、審査後90日間の提供制限期間に厚労大臣が厚生科学審議会の意見を踏まえ、安全性を確認した後となる。
今回の緊急命令に加え、インターネット上で再生医療に関する情報が氾濫している状況を受け、日本再生医療学会は6日、国民に対し、「治療を受ける際には日本再生医療学会の認定医であるかを確認するなど、慎重に検討してほしい」など注意喚起する声明を公表した。