厚生労働省は3月31日、国内のギャンブル等依存症の疫学調査に関する中間取りまとめを公表した。国際的に用いられている簡易スクリーニングテスト「SOGS」(用語解説)を用いて過去12カ月以内の経験について評価を行い、「ギャンブル等依存症が疑われる者」の割合を成人の0.6%(95%信頼区間0.1~1.2%)、生涯を通じた経験では2.7%(同1.7~3.7%)とそれぞれ推計した。
中間取りまとめは、国立病院機構久里浜医療センターが日本医療研究開発機構(AMED)からの委託研究(研究代表者=松下幸生同センター副院長)として、2017年度に実施する本調査に先駆けて16年度に行った予備調査の結果を集計・分析したもの。調査対象は、東京23区や札幌市、横浜市、名古屋市、大阪市、福岡市など11都市の住民基本台帳から無作為抽出した2200人で、回答者は993人(回答率45.1%)だった。
松下氏は同日の会見で、過去12カ月以内の経験に関する評価で「ギャンブル等依存症が疑われる者」とされた0.6%について、①平均年齢は45.1歳、男女比は4対1、②最もよくギャンブル等を行っていた頃に、一番お金を使った種別はほぼすべてが「パチンコ・パチスロ」、③掛け金は平均で1カ月約2.8万円─だったと説明。一方、予備調査であることを強調し、「サンプル数が少なく全国的な推計というには信頼性が足りない。国内で(ギャンブル等依存症を疑われる者が)何万人と言及するには、推計値の幅が大きく適切ではない」と指摘した。