日本医療機能評価機構は3月13日に医療安全情報No.124を公表した。機構によると、2016年1〜12月に提供した医療安全情報12例のうち6例について、同年中に再発・類似事例があったという。
具体的には、①誤った患者への輸血(第2報)、②中心静脈カテーテル抜去後の空気塞栓症、③抗凝固剤・抗血小板剤の再開忘れ、④与薬時の患者取り違え、⑤他施設からの食種情報の確認不足、⑥外観の類似した薬剤の取り違え」。
そのうち②では、医師は中心静脈カテーテルを座位で抜去した場合に空気塞栓症になる可能性を考慮せず、座位で抜去。その後、患者の意識レベルが低下し、無脈性電気活動(PEA:pulseless electrical activity)になった。カテーテル抜去部からの空気流入による空気塞栓症と考えられた。
④では、看護師が配薬の際、患者Aを向かい側のベッドの患者Bと勘違いし、患者に氏名を名乗ってもらう、薬包の患者氏名とネームバンドを照合するなどの確認をしないまま、患者Aに患者Bの薬を配薬。患者Aは、患者Bの薬を内服したことにより、手術延期となった。
⑤では、転院時のサマリーには食種が「全粥」と記載されていたが、看護師は入院時にその情報を認識していなかったため、患者の朝食にパンが出ていた。看護師は朝食のセッティングを行い、患者がパンを摂取していることを確認。8分後に訪室すると、患者の口にパンがつまり、チアノーゼを起こしてベッドに倒れていた。
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