いよいよ東京オリンピックに向けてカウントダウンが始まりました。わが国でも女性のアスリートは幅広く活躍していますが,一方で,無月経や月経不順,月経困難症や月経前症候群,骨粗鬆症など様々な問題も存在しているようです。
競技成績向上を志向するとともに,将来のヘルスケアまで見据えた管理はどのようにしたらよいのでしょうか。わが国での現状と問題点,また,我々が行うべき対応策についてご教示下さい。
東京共済病院・久保田俊郎先生にお願いします。
【質問者】
高松 潔 東京歯科大学市川総合病院産婦人科教授
日本産科婦人科学会女性ヘルスケア専門委員会が実施した2014年のアンケート調査によると,大学生を中心とした女性アスリートでは,どの競技レベルにおいても疲労骨折の頻度は,対照群に比較し約5倍で,有意に上昇していました。また,疲労骨折や無月経の頻度は,持久系(中・長距離などの陸上競技)や審美系(体操・新体操など)ではともに有意に高く,無月経の影響が疲労骨折の発生に関与している可能性も考えられます。一方,オーバートレーニングや栄養の摂取不足などによるBMI値の低下も,両疾患の発生に大きく影響することが明らかとなりました。
残り580文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する