臨床研究を法規制する「臨床研究法」が7日の参議院本会議で、全会一致で可決、成立した。同法はディオバン論文不正事件など相次ぐ臨床研究の不正発覚を受けて検討されていたもの。規制対象は「医薬品医療機器法における未承認・適応外の医薬品等の臨床研究」と「製薬企業等から資金提供を受けて実施される当該製薬企業等の医薬品等の臨床研究」。これを「特定臨床研究」と位置づけた。公布後1年以内に施行される。
データ改竄防止のため、モニタリング・監査の実施を義務化するほか、利益相反の管理等の実施基準の遵守、インフォームド・コンセントの取得、個人情報の保護、記録の保存等を義務づける。臨床研究の実施計画については、厚生労働大臣の認定を受けた「認定臨床研究審査委員会」に適否等の意見を聴いた上で大臣に提出することを義務づけた。製薬企業には、臨床研究に対する資金提供の情報の公表を義務づける。大臣の停止命令に違反した場合には3年以下の懲役または300万円以下の罰則規定も設けた。附帯決議では、臨床研究の対象者の尊厳と権利の尊重を明確にすることや、情報提供関連費や接遇費等を公表対象とすることについて検討することなどが盛り込まれた。