OECD(経済協力開発機構)は,20年以上も前から加盟国の医療を比較するデータベースを構築し,現在では「OECDヘルス統計」としてネット上で公開している。国際比較と言えば,まずOECDデータというほど普及している。そこで,わが国の医療は国際比較の中でどのような位置づけなのか,みてみよう。
2009年総選挙で民主党は「総医療費対国内総生産(GDP)比をOECD加盟国平均まで引き上げる」というマニフェストを掲げて圧勝した。だが,日本の医療費はOECD平均より低いという「常識」は,もはや正しくない。最新データによると,日本の医療費はOECD平均よりも高く,米国,フランス,ドイツより低いものの,イギリス,イタリアよりも高くなった(図1)。
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