株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

気管支鏡を用いた末梢型肺癌の早期診断【細径気管支鏡,EBUS-GS法によって診断率が向上】

No.4854 (2017年05月06日発行) P.50

有村 健 (東京女子医科大学内科学第一講座)

登録日: 2017-05-01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

肺癌患者数は近年急増しており,わが国では全がん死の約20%を占め,男性では全がん死の中で最も多い。わが国における各種がんの全5年生存率で見ると,乳癌・胃癌・大腸癌はすべて60%を超えているのに対して,肺癌は30%にも及ばず,今後も人口の高齢化とともにさらに増えていくものと思われる。

原因のひとつとして,診断が困難であることが挙げられる。胸部異常陰影に対しての確定診断を得る効果的な方法は気管支鏡検査であるが,早期診断のために様々な方法が試みられはじめている。

気管支の末梢小型病変に対してはradial型気管支腔内超音波(endobronchial ultrasound:EB US),細径気管支鏡,ナビゲーションを併用することにより診断率が向上する1)とされ,ground-glass opacity(GGO)に対してはradial型EBUSとguide sheath(GS)を併用するEBUS-GS法の有用性も示されている2)。また,欧米ではprobe先端に二酸化炭素を送気し肺組織を凍結して生検するcryo biopsyとradial型EBUS併用の有用性と安全性も示されている3)ため,わが国における同生検法の承認取得が待たれる。

【文献】

1) Ishida T, et al:Thorax. 2011;66(12):1072-7.

2) Izumo T, et al:Eur Respir J. 2015;45(6):1661-8.

3) Schuhmann M, et al:Eur Respir J. 2014;43(1): 233-9.

【解説】

有村 健 東京女子医科大学内科学第一講座

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top