医療機関がICTシステムを導入・運用する際に、システムメーカー側とのICTに関する知識格差が大きいために受注者側に有利な契約が行われている例が散見されることから、日本医師会は医療機関に求められるICTリテラシーを基礎から学べる研修講座を6月1日から開始する。日医の石川広己常任理事が10日の会見で明らかにした。
講座はWeb上のe-learningシステムで行い、1カ月1教科のペースで全6教科を6カ月で学ぶカリキュラム。具体的には、「クリニカルICT基礎概論」が3教科あり、ハードウェアが故障した時の対処法や定期点検の方法などを学ぶほか、「情報システム連携学・ICT用語解説」「医療情報法務学」「ICT購買学」を1教科ずつ学習。受講時間は1つの教科で約3時間を想定している。
受講料は日医会員がいる医療機関の職員は2万円(税別)、それ以外は3万円(税別)。初回の申し込み期限は5月31日。申し込みは日本医師会ORCA管理機構のホームページから行う。
会見で石川氏は「医療機関のみならず福祉施設や調剤薬局の職員など地域医療のステークホルダーに広く参加していただきたい」とし、「ICTが分かる医療従事者を増やして経営の健全化とともに医療の質の向上にもつなげたい」と期待を示した。