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共有意思決定巡り日米の腎臓病専門家が講演【透析医学会学術集会】

No.4862 (2017年07月01日発行) P.17

登録日: 2017-06-22

最終更新日: 2017-06-29

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6月17日の日本透析医学会学術集会で、慢性腎臓病(CKD)や末期腎不全(ESRD)の腎代替療法選択における患者共有意思決定(shared decision making;SDM)をテーマにしたセミナー(共催:バクスター)が開かれた。

フレデリック・フィンケルシュタイン氏(米イエール大)は、腎臓病患者の多くが自身の罹患を知らず、「血液透析(HD)は腎代替療法の標準療法とは必ずしも言えなくなったが、患者は医療従事者から伝えられた治療選択肢の情報を十分に理解・把握できていない」と指摘。その上で、CKDに関する患者教育が盛んな英国、カナダなどでは腹膜透析(PD)導入率が15~20%程度と、日本(3%程度)に比べて高いという透析の国際動向を説明した。一方で、HDとPDを比較した場合、治療アウトカム(生存率)では明らかな有意差はないが、患者満足度についてはPDのほうが高いとのデータを紹介した。

これらを踏まえフィンケルシュタイン氏は、患者の年代やリテラシー能力等を考慮しつつ、多職種による1対1セッションやグループセッション、ウェブ用教材の開発など、さまざまな形態の患者教育ツールを充実すべきと訴えた。

小松康宏氏(聖路加国際大)は「PD、HDの生存率や治療成功率だけでなく、患者の価値観に沿って治療を選択することが重要」とした上で、「医療従事者は医学的に正確な情報を提供するだけでは不十分。多くの時間をかけてSDMを目指すべき」と強調。一方、SDMにかかる時間を評価する診療報酬の点数が全くない現状を問題視し、「何らかの加算の新設が必要ではないか」と提起した。




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