監修:森 正樹(大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学教授)
大腸癌,胃癌,食道癌や消化管の間質腫瘍に対する抗癌剤治療はここ10年余りで考え方や使用方法が大きく変化した。従来の抗癌剤治療は腫瘍の増大を遅延させ,病状をコントロールすることに主眼が置かれてきた。
しかし,切除不能症例が切除可能症例に変わることが少なからずみられることから,最近では切除の可能性をも考慮したレジメンが考慮されるようになった。さらに分子標的治療薬の出現で,初回治療後の二次,三次,四次の治療まで俯瞰したアプローチが重要になっている。抗癌剤治療を術前に行うか,術後に行うかなども含めて,消化管腫瘍に対する最新の抗癌剤治療について紹介する。
1 抗癌剤・分子標的治療の進歩
大阪大学大学院医学系研究科消化器癌先進化学療法開発学教授 佐藤太郎
2 消化管癌における術前 vs. 術後補助化学療法
熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学 藏重淳二
熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学 岩上志朗
熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学教授 馬場秀夫
3 GISTの化学療法
大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学 高橋 剛
国立がん研究センター東病院病院長 西田俊朗>