日本感染症学会と日本呼吸器学会はこのほど、成人肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方の第2版を公表した。定期接種ワクチンの23価莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)と任意接種ワクチンの13価結合型ワクチン(PCV13)の使い分けや接種間隔について解説している(下掲)。
PPSV23未接種で、2015~18年度に定期接種対象となる65歳以上の成人については、PPSV23接種後5年以上の間隔を置いてPPSV23の再接種、もしくは1年以上の間隔を置いたPCV13-PPSV23の連続接種も考えられるとし、PCV13とPPSV23の接種間隔については6カ月~4年が適切としている。一方、定期接種対象外となるPPSV23既接種者については、PPSV23接種後5年以上の間隔を置いてPPSV23の再接種、もしくは1年以上の間隔を置いてPCV13の接種も考えられるとしている。
また、米国予防接種委員会(ACIP)によるPCV13とPPSV23の連続接種の推奨については「全面的には受け入れるべきではない」との判断を提示。両学会は、ACIPが2018年に予定しているPCV13の推奨見直しや国内研究班の分析結果を踏まえ、最終的な見解を示したいとしている。
両学会は「考え方」第1版(2015年1月)で、65歳以上に対するPCV13の臨床効果の報告が1報のみだったことなどから、PCV13を含む肺炎球菌ワクチンのエビデンスに基づく指針の提示を「困難」と判断。連続接種の推奨についても、小児におけるPCV7/13の導入時期など日米の背景の違いなどから「全面的には受け入れるべきではない」としていた。
今回も判断を維持した理由としては、65歳以上に対するPCV13の臨床効果に関する追加情報がなく、日本の成人におけるPCV13とPPSV23による血清型カバー率がいずれも不変またはやや減少傾向であることなどを挙げている。