輸血用血液製剤(人血小板濃厚液)の投与を受けた女児が、細菌感染による重篤な症状を呈し、死亡に至った事例を受け、厚生労働省はこのほど、都道府県等に対し通知を発出した。人血小板濃厚液を使用する際の安全確保措置の徹底を医療関係者に周知するよう求めている。
通知では、細菌等によるエンドトキシンショック、敗血症等が現れた場合にはすぐに輸血を中止することを強調。少なくとも輸血開始後約5分間は患者の観察を十分に行い、約15分経過した時点で再び観察するよう注意を呼び掛けている。輸血による感染症・副作用等のリスクについて、患者・家族などに文書で分かりやすく説明し、同意を得ることも求めている。
死亡した女児は急性骨髄性白血病の再発に対して骨髄移植を受けており、今年8月に人血小板濃厚液の投与を受けた。投与直後に振戦や呼吸促迫が出現し、一度中止。投与再開後も嘔吐や下痢が現れ、投与後4日目にはショック状態となり、約1カ月後に敗血症性ショックによる多臓器不全で死亡した。血液培養の結果から、大腸菌が製剤に混入していたものとみられる。