No.4891 (2018年01月20日発行) P.54
松本健史 (順天堂大学医学部消化器内科学准教授)
小原勝敏 (福島県立医科大学消化器内視鏡先端医療支援講座教授)
登録日: 2018-01-17
最終更新日: 2018-01-16
【質問者】
松本健史 順天堂大学医学部消化器内科学准教授
慢性呼吸器疾患,特に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)患者に対する内視鏡時鎮静(sedation)の機会が多くなっています。COPD患者の特徴として,呼吸の予備能が低下し許容範囲が狭く,鎮静によって容易に換気不全や低酸素血症,高炭酸ガス血症に陥る危険性があります。
COPD患者の鎮静では,まず患者の病歴が重要で,呼吸困難や咳・痰・喘鳴の程度,呼吸器感染の有無,気管支拡張薬使用の有無,喫煙歴などを詳細に聴取します。次に診察時には,呼吸回数・様式,呼吸補助筋の使用,チアノーゼの有無,体型(胸郭異常,肥満),上気道狭窄の有無,肺雑音の種類・程度などを診ます。また,鎮静前の指導として,最低2週間前から禁煙すること,内科的治療(吸入療法や呼吸リハビリなど)を行い,安定した状態にすること,内服薬や吸入薬は鎮静当日まで継続すること,などが重要です1)。
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