私事で恐縮であるが,30年前,とあるきっかけで消化管の超音波診断に興味を持ち,日常診療において強力なツールとなることを確信したが,当時は学会で発表するたびに罵倒されるのがオチであった。その後,超音波機器の改良は目覚ましく,また消化管超音波の有用性について賛同して下さる医師や技師の数も増え,この度,由緒ある日本医事新報に取り上げて頂いたことは喜ばしい限りである。勤務医,検査のエキスパート,開業医それぞれの立場におけるオピニオンリーダーにご執筆頂き,大変満足できる内容となった。
先生方にお願いしたいことは,まず「消化管疾患はエコーで見える」ことを信じて頂き,次に「とりあえずプローブを当ててみる」という2つである。エコーは必ずや先生方のお役に立てると確信している。
1 消化管の走査法─効率的かつ見落としをなくすためのコツとテクニック
2 消化管の読影─診断能向上につながる10のポイント
成田赤十字病院検査部生理検査課課長 長谷川雄一
成田赤十字病院検査部生理検査課係長 浅野幸宏
3 急性腹症における消化管エコーの有用性
川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)准教授 眞部紀明
川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)教授 畠 二郎
4 プライマリ・ケアでの消化管エコー活用術
─エコーは触診・聴診の進化型
ハッピー胃腸クリニック院長 豊田英樹