編: | 近森大志郎(東京医科大学循環器内科主任教授) |
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編: | 山科 章(東京医科大学名誉教授/同医学教育推進センター特任教授) |
判型: | B5判 |
頁数: | 392頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2017年10月06日 |
ISBN: | 978-4-7849-5543-5 |
版数: | 3 |
付録: | - |
診療科: | 内科 | 循環器内科 |
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シリーズ: | New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ シリーズ |
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CASE 01 労作時の胸部圧迫感を訴えて受診した70 歳代男性
CASE 02 労作時の胸痛発作を主訴に紹介された60歳代男性
CASE 03 胸痛と呼吸困難を訴え,ショック状態で搬送された60歳代男性
CASE 04 胸痛を訴え,院外心停止となった40歳代男性
CASE 05 嘔気と冷汗を伴う胸部圧迫感を訴え,救急車で搬送された60歳代男性
CASE 06 呼吸困難が出現し,臥位になれなくなり,救急外来に独歩で受診した60歳代男性
CASE 07 動悸を主訴として心機能低下を伴う40歳代男性
CASE 08 失神発作を認める70歳代後半女性
CASE 09 意識消失をきたし緊急搬送された30 歳代男性
CASE 10 ふらつきがあり心室頻拍が認められ紹介された50歳代男性
CASE 11 複数回失神の20歳代前半女性
CASE 12 息切れを主訴に来院した80歳代前半女性
CASE 13 健診で心雑音を指摘され,労作時息切れを主訴に来院した50歳代男性
CASE 14 立ちくらみ症状を主訴に受診した80歳代男性
CASE 15 労作性呼吸困難を訴える80歳代後半女性
CASE 16 健診で異常を指摘された60歳代前半男性
CASE 17 発熱,発疹と呼吸困難を主訴に来院した20歳代女性
CASE 18 失神を主訴に受診した20歳代女性
CASE 19 歩行時息切れ,下腿浮腫を主訴に来院した70歳代後半男性
CASE 20 心肥大の精査で来院した50歳代男性
CASE 21 胸部X線検査で肺門部腫脹を指摘された50歳代女性
CASE 22 呼吸困難と著明な下腿浮腫,腹部膨満感の精査加療目的に入院となった70歳代男性
CASE 23 夫と口論の後,胸痛を主訴に来院した70歳代女性
CASE 24 労作時息切れを主訴に来院した70歳代男性
CASE 25 高血圧でうっ血性心不全を発症した左室収縮不全で緊急搬送された40歳代男性
CASE 26 薬剤抵抗性心不全を繰り返す60歳代男性
CASE 27 労作時の息切れを主訴に来院した40歳代女性
CASE 28 動悸を主訴に来院した心内修復術後のファロー四徴症の30歳代女性
CASE 29 突然の胸背部痛で搬送された60歳代男性
CASE 30 高身長の10歳代後半男性
CASE 31 脳神経外科術後にショックに陥った30歳代後半男性
CASE 32 労作時呼吸困難を主訴に来院した40歳代女性
CASE 33 肺水腫を繰り返した70歳代男性
CASE 34 脳出血の既往を持つ治療抵抗性高血圧の40歳代女性
CASE 35 虚血性心疾患である70歳代男性の非心臓手術前
【解説01】 睡眠時呼吸障害と循環器疾患
【解説02】 心移植の現況と左室補助装置によるdestination therapy
【一般問題】
第3版 序
約10年前に「New専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ 循環器疾患」を出版しました。その後に一部を修正して第2版として継続し,いずれも好評を博してきました。この期間,循環器医療はさらに発展し,多くのカテーテル治療・デバイス治療などが広く一般的に行われるようになっています。さらに,医療レベルの発展とその標準化のために,エビデンスに準拠した多くのガイドラインが学会主導で策定されています。このような医学・医療の現況に鑑みて,今回の改訂では全症例を新しくして第3版を出版することとしました。
現代の医療知識は大規模臨床試験から得られたエビデンスが中心的となっていますが,日常臨床において目の前の患者さんの治療を考えるときには,このエビデンスですべてが解決できるわけではありません。何がベストの治療方針であるかについて,多方面からの考察を要することも多々あります。その意味では一つひとつの症例を丁寧に検討することが大切ですが,主要な循環器系医学雑誌から症例報告が消えてから久しくなります。むしろ,インパクト・ファクターに影響しないclinical imageのコーナー
のみが目立つようになりました。しかしながら,画像診断では解決できず,種々のデータの蓄積や患者さんの希望などを含めて考察することが非常に大切です。
本書はケース・メソッド・アプローチとして,まさにそのことを読者の皆さんに考えて頂き,症例と向かい合う中で,知識・考察力・判断力を身につけられるように工夫しました。それぞれの症例における判断の要所において質問を設定しています。ここで症例についてよく考えてみて下さい。そして,自分だったらどうするだろうと考えて,読み進めて欲しいと思います。また,各ガイドラインからの引用をわかりやすくして,インターネットから素早く参考にできるように配慮しています。さらに,全体の知識をまとめるために,巻末に一般問題を配置しています。
循環器各領域を代表する執筆者による選りすぐりの35症例ですが,この1冊ですべての循環器疾患をカバーすることはできません。しかしながら,循環器診療の興味深さをリアルに体得して頂けると考えています。
最後に,貴重な症例を御呈示して頂き,短期間に御執筆・修正などの労をお執り下さった執筆者の先生方に深く御礼いたします。
2017年8月編者を代表して
近森大志郎
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
【参考】
本書刊行後に改訂された『遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版)』(日本循環器学会,日本心臓病学会,日本不整脈心電学会)からは,家族歴を重要視しない方針が記載されています。
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_aonuma_h.pdf