著: | 井林雄太(九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学[第三内科]) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 380頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2018年02月28日 |
ISBN: | 978-4-7849-4738-6 |
版数: | 1 |
付録: | - |
序 章
概論—本書は実践の問題集である
1 次試験(書類審査):サマリー(症例要約)提出について
サマリーのコツや実際の提出症例
試験前の再チェック集
2 次試験(筆記試験:マークシート)
第1章 内分泌学基礎(ホルモンの構造や受容体)
1 ホルモンの種類・ホルモン結合蛋白
2 ホルモンの細胞内伝達
第2章 間脳下垂体
1 視床下部-下垂体のホルモン
2 視床下部-下垂体の画像診断
3 視床下部症候群(視床下部-下垂体腫瘍)
4 先端巨大症
5 下垂体前葉機能低下症+ホルモン補充療法の順序
6 TSH 産生下垂体腺腫(TSHoma)
7 高プロラクチン血症とプロラクチン産生腫瘍(PRLoma)
8 Cushing 病
9 尿崩症
10 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)低ナトリウム血症の鑑別
11 遺伝性下垂体腫瘍
12 成人成長ホルモン分泌不全症(AGHD)
13 中枢性摂食異常症(特に,AN)
第3章 甲状腺
1 Basedow 病
2 block and replace
3 高齢者のBasedow 病
4 妊娠初期一過性甲状腺機能亢進(GTH)
5 妊娠とBasedow 病
6 不妊症と甲状腺機能低下
7 無顆粒球症
8 無痛性甲状腺炎と亜急性甲状腺炎の鑑別
9 甲状腺クリーゼの対処
10 放射線と甲状腺癌
11 潜在性甲状腺機能低下症 / マクロTSH 血症
12 薬剤誘発性甲状腺機能異常 漢方,健康食品と甲状腺
13 Plummer 病
14 甲状腺腫瘍 BRAF 遺伝子,画像診断
第4章 副甲状腺(Ca,P 代謝,骨代謝疾患含む)
1 原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT) その他の副甲状腺機能亢進症も含む,FHH
2 続発性副甲状腺機能亢進症
3 特発性副甲状腺機能低下症 / 偽性副甲状腺機能低下症
4 骨粗鬆症(ステロイド骨粗鬆症)
5 骨軟化症(くる病) / 低リン血症
6 ビタミンD 欠乏性くる病
7 悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症/ 高カルシウム血症性クリーゼ
第5章 副腎疾患
1 副腎の生理と解剖 副腎ホルモン産生部位
2 原発性アルドステロン症(PA)
3 Cushing 症候群
4 subclinical Cushing 症候群(SCS)
5 褐色細胞腫
6 悪性褐色細胞腫
7 Addison 病
8 副腎クリーゼ
9 先天性副腎皮質過形成(CAH)
10 副腎偶発腫瘍,副腎皮質癌
11 糖質コルチコイドの代謝 AME 症候群
12 Liddle 症候群 / Bartter 症候群 / Gitelman 症候群
13 腎血管性高血圧
第6章 性 腺
1 ゴナドトロピン
2 性腺機能低下症 原発性と続発性の様々な違い
3 多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
第7章 糖尿病
1 1 型糖尿病
2 2 型糖尿病
3 インスリン自己免疫症候群
4 遺伝子異常による糖尿病,続発性糖尿病
5 糖尿病治療薬の副作用
6 食事療法・運動療法 糖尿病性腎症の栄養指導
7 妊娠・産後に関わる糖尿病 妊娠糖尿病,糖尿病合併妊娠,管理目標
8 糖尿病の合併症 糖尿病ケトアシドーシス,高浸透圧高血糖症候群
9 糖尿病の慢性合併症と大規模試験
第8章 脂質異常症
1 リポ蛋白とその代謝
2 脂質異常症
3 家族性高コレステロール血症(FH)
第9章 肥満症
1 メタボリックシンドロームの診断基準
2 肥満症(原発性肥満,続発性肥満),高度肥満の治療
第10章 多発性内分泌腫瘍症(MEN)
1 多発性内分泌腫瘍症1 型(MEN1)
2 多発性内分泌腫瘍症2 型(MEN2)
内分泌科は,全身を診察し治療を提供できる総合的な内科として,臨床面・研究面でも非常に奥深い診療科のひとつといえます。各科専門医がありますが,内分泌専門医は他科との関わりも多く,その守備範囲も膨大で,かつ深い知識が要求されます。
実際の臨床においては,患者より得られる情報を読み取り,正確な知識のinput から治療方針を即座に組み立て,病態の悪化を防ぐことが肝要ですが,試験においてはさらに知識のoutput の速度も求められます。
筆者が専門医を受験した当時は良い問題集が少なく,筆者自身も成書を読んでinput を増やしていましたが,やはりoutput がスムーズにできないことが少なくありませんでした。
一度成書に目を通しておけば,実際の臨床であれば時間をかけ立ち返り復習することができますが,実際の試験ではそれはできないため,確実なinput/output
が必要となります。
当時出版されていた類書にもどかしさを覚え,研究室の後輩や周囲からも良い問題集を,との要望があり,自分の復習の意味でも最低これらのポイントだけ押さえておけば大丈夫,という内分泌テキストを模索していました。基礎研究をしながら,数年掛かりになってしまいましたが,ようやく刊行に漕ぎ着けることができました。これもひとえに,日本医事新報社の磯辺栄吉郎氏をはじめ,関係各位のお蔭です。ここに改めて謝意を表します。
平成30 年1 月吉日
井林雄太
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。