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西洋薬の多剤内服例への漢方薬の併用と減薬について

No.5242 (2024年10月12日発行) P.52

岡村麻子 (かしわの葉レディースクリニック院長)

加藤士郎 (筑波大学附属病院総合診療科臨床教授)

登録日: 2024-10-10

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  • 西洋薬を多剤内服している人に漢方薬を併用することにより減薬して薬を整理することは,体調管理,医療経済的に有効と考えます。特に睡眠薬を含む精神科関連の薬剤や,多施設から薬剤が処方されることがあり,内服数の増加が気になります。実際の方法と注意すべき点があれば教えて下さい。
    筑波大学附属病院・加藤士郎先生にご解説をお願いします。

    【質問者】
    岡村麻子 かしわの葉レディースクリニック院長


    【回答】

    【西洋薬を整理して,漢方薬で身体症状を改善すると減薬が可能となる】

    西洋薬を多剤内服している人に減薬を行うには,以下のように進めます。

    ①現在,その患者さんが処方されている薬を,他の施設から処方されているものを含めてすべて把握し,薬剤師や看護師にも協力して頂いて,その人の服薬状況を確認し,まずは内服していない薬を止めます。

    ②実際に内服している薬で,薬理学的に併用しないほうがよい薬があれば減薬します。

    ③患者さんの症状と検査成績から考えて,不要と考えられる薬は削減します。

    ことに75歳以上の高齢者では,現在問題となっている臨床症状は,疾患が原因というよりも,半分以上の確率で冷えや体力低下などの加齢現象によるものです。したがって,内服している薬は現在認められている臨床症状に効果がない可能性が十分にあり,減薬できることが多いです。ここまでで内服している薬を十分に整理してから,次に④漢方薬併用による減薬を考えます。

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