診療科: | 皮膚科 | 皮膚科 |
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シリーズ: | よくわかる病態生理 シリーズ |
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第1章 皮膚の構造と機能
皮膚の組織構造
皮膚の細胞動態と角化、メラニン形成機構
皮膚の物理的防御
皮膚の免疫防御
皮脂分泌、経皮吸収
皮膚循環、発汗と体温調節
第2章 症 候
発 疹
第3章 湿疹・皮膚炎群
湿疹反応
接触性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
脂漏性皮膚炎
貨幣状皮膚炎
皮脂欠乏性湿疹
自家感作性皮膚炎
第4章 蕁麻疹、紅斑症、紅皮症、皮膚そう痒症
蕁麻疹
多形滲出性紅斑
環状紅斑
紅皮症
皮膚そう痒症
第5章 紫斑、循環障害、血管炎
紫 斑
循環障害
血管炎
第6章 薬疹、薬物障害
薬疹、薬物障害
第7章 水疱症、膿疱症
自己免疫性水疱症
表皮水疱症
膿疱症
第8章 乾癬、角化症
尋常性乾癬
扁平苔癬
ジベルばら色粃糠疹
第9章 母斑、腫瘍、色素異常
上皮系母斑、神経冠起源細胞性母斑
脈管系母斑/血管腫・脈管形成異常
母斑症(神経皮膚症候群)
皮膚良性腫瘍
悪性黒色腫
白 斑
皮膚リンパ腫
血管肉腫
組織球症
第10章 皮膚感染症
伝染性膿痂疹
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
毛包炎
せつ
よう
丹 毒
皮膚真菌症
皮膚結核
ハンセン病
梅 毒
第11章 全身疾患
全身疾患の皮膚症状
編集にあたって
医学生に皮膚科の印象を尋ねると、病名が多くかつ複雑である、皮膚症状をみてもみな同じようにみえる、試験問題の解き方がわからない、などの意見が多い。一方皮膚科領域での学問の進歩はめざましい。基礎的な面でも、診断や治療面でも、絶えず新たな知見が得られている。このような状況の中で、医学生諸君に皮膚科をどのように会得していただくのが良いかを考えて、本書を企画した。
まず内容を最新のコアカリや医師国家試験の基準に対応すべく、アップデートなものにした。現在多くの皮膚科の教科書が出ているが、本書はその中でも最新の情報が満載されている。
次にこれらの内容をわかりやすくするために、多くのカラー写真やカラーの図表を入れた。また内容についてただ重要な事項を列挙するのでは、本当に理解することはできず、応用力がつかない。病態生理からきちんと勉強することによって、病気や治療について理解することができる。したがって、本書では皮膚の病態生理をわかりやすく解説した。ここをまず理解して、そこから様々な皮膚科疾患の勉強をしていただきたい。
最後に執筆してくださった先生方である。日本の皮膚科領域の各分野において、トップクラスの方々に執筆をお願いした。また特に医学教育に熱心でかつ比較的年齢の若い方々にお願いした。その結果、本書はより医学生の目線にたった内容になっていると確信している。
本書はもちろんコアカリや医師国家試験の準備に役立てていただきたい。さらに通常の講義やクリニカル・クラークシップの予習や復習にも使用していただければ、より理解が進むであろう。本書を皮膚科の勉強の際に上手に使っていただき、皮膚科学という学問の面白さを多くの医学生諸君に経験していただければ、編者の望外の喜びである。
川田 暁