国立がん研究センター(国がん)は30日、小児(0~14歳)とAYA世代(15~39歳、思春期・若年成人)におけるがん罹患率の調査結果を発表した。年代別の罹患率の首位は、0~19歳では白血病、20歳では胚細胞腫瘍・性腺腫瘍、30代では乳癌だった。小児だけでなくAYA世代まで含めた罹患率の公表は初めて。
人口10万人当たりの罹患率をみると、0~14歳で12.3、15~19歳で14.2、20代で31.1、30代で91.1となっている。これを日本全体の人口に当てはめると、1年間にがんと診断されているのは、0~14歳で約2100例、15~19歳で約900例、20代で約4200例、30代で約1万6300例に上ると推計される。
罹患率の高いがん種は、0~14歳では白血病が38%を占め、次いで脳腫瘍(16%)、リンパ腫(9%)が多い。15~19歳の首位は白血病(24%)で、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍(17%)、リンパ腫(13%)と続く。20代では胚細胞腫瘍・性腺腫瘍(16%)が首位、甲状腺癌(12%)が2位、白血病(11%)が3位だった。30代では女性の乳癌(22%)が最も多く、次いで子宮頸癌(13%)、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍(8%)だった。
今回公表されたのは、2009~11年に「地域がん登録」に参加した都道府県のうち、精度基準を満たした27府県の集計結果。小児がんのみの罹患率は07年に公表されていたが、対象が15地域と少なく、データも古かった。07年のデータと比べると、罹患率は今回のほうが全体的に高くなっており、国がんは「がん登録の精度が向上したことが原因」との見方を示している。