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【他科への手紙】心療内科→呼吸器内科

No.4911 (2018年06月09日発行) P.51

松田能宣 (国立病院機構近畿中央胸部疾患センター心療内科医長)

登録日: 2018-06-06

最終更新日: 2018-06-05

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  • 呼吸器内科の先生方には、大変お世話になっております。呼吸器疾患の患者の診療をされていますと、呼吸困難を訴える患者が多いと思います。特に重症のCOPD患者では呼吸困難発作を繰り返す症例もしばしば経験されるのではないでしょうか。もちろん、COPDの増悪や喘息の合併による喘息発作の可能性もありうると思います。おそらく、そのような呼吸困難発作に対しては短時間作用型β2刺激薬吸入で対処をされることが多いと思います。

    呼吸困難発作時に酸素低下を認めない、一定時間が過ぎると自然軽快する、気管支拡張薬が無効である、といった場合にはパニック発作/パニック障害を鑑別に挙げて頂ければと思います。COPD患者においてパニック障害の合併割合は一般人口の約10倍と言われています。問診して頂く際には、呼吸困難発作時に他にどのような症状を伴っているかをご確認して頂ければ幸いです。

    その症状とは、動悸、発汗、身震い、息切れ感・息苦しさ(これはありますね)、喉がつまる感じ(窒息感)、胸部不快感・胸痛、腹部不快感・嘔気、めまい・ふらつき・気が遠のく感じ、周りが現実でない感じ(現実感の喪失)・自分自身の体から離れる感じ(離人症状)、コントロールを失う(気が狂う)ことへの恐怖、死ぬことへの恐怖、異常感覚(感覚麻痺・うずき感)、冷感・熱感になります。

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