早産の原因は,生活習慣,既往症,感染症,産科合併症など様々あるが,いずれも進行すると,規則的な子宮収縮と進行性の頸管変化(頸管熟化)を伴う,いわゆる切迫早産になり早産に至る。治療は原因ごとの予防的なものと,切迫早産に対するものに大別される。
1970年代には,切迫早産治療としてNSAIDs,止血薬,ホルモン療法が推奨されていたが,胎児循環持続症の問題に加え,いずれもエビデンスに乏しい。
86年,リトドリンが導入されると,硫酸マグネシウムとともに多くの施設で中心的治療となった。しかし,80年代以降,早産率は増加の一途をたどり(図1)1),十分な効果は示されていない。
90年代以降,予防治療が注目され,感染症(細菌性腟症),頸管無力症(頸管短縮)の治療,2000年代には黄体ホルモン療法が検討され始めた。