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(2‌)画像検査・呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断する[特集:長引く咳はこう診る]

No.4920 (2018年08月11日発行) P.35

長尾大志 (滋賀医科大学医学部附属病院呼吸器内科講師/教育医長)

登録日: 2018-08-13

最終更新日: 2018-08-07

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慢性咳嗽症例における胸部単純X線写真読影のポイントは, ①肺の大きさ,横隔膜の高さと形 ②気管~気管分岐部~主気管支周り・縦隔 ③心陰影,肋横角~毛髪線 ④肺野 であり,もれなく順番に確認する必要がある

肺の大きさを評価することが,慢性閉塞性肺疾患(COPD)および肺線維症の診断に寄与する

気道病変の評価のため,気管・主気管支周辺にはしっかり目を配る

心陰影や横隔膜など,元々存在する線の「ぼやけ」に注意する

慢性咳嗽症例における呼吸機能検査結果を見る際には,数字だけでなくフローボリューム曲線の形も確認する

1. 長引く咳に対する検査

「慢性に咳が出る」という訴えの患者を診療するにあたって,胸部画像は必須の検査と言ってよい。特に胸部単純X線写真は,設備のある施設が多くコストも安価であり,数多く撮られている。しかしながら,気軽に数多く撮られている反面,陰影が存在していても見逃される例も散見される。

一方で,呼吸機能検査は,手間に見合った保険点数が得られない,解釈が何となく難しい等の理由から,導入されている施設はそれほど多くないと言われている。しかし,「咳の原因探し」という点において,特に画像検査と併せて評価することで,価値のある検査である。

そこで本稿では,慢性咳嗽がある症例で見逃しがちな,特にここを見るべし,という画像検査・呼吸機能検査における「咳の原因となる所見」を取り上げ,注意すべきポイントを概説する。読者諸兄の咳診療の一助になれば幸いである。

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