2018年4月の診療報酬改定で,消化器分野では,食道癌,胃癌,直腸癌に対してロボット支援手術が保険収載された
ロボット支援手術では,高解像度3次元モニター,手振れ防止機能付き多関節鉗子により,精度の高い手術が可能となる可能性がある
胃癌に対しては,先進医療Bによる臨床試験が行われ,ロボット手術の安全性が示された
ロボット支援手術はIntuitive surgical社のda Vinci® surgical system(da Vinci)の登場によって急速に広がりつつある。わが国におけるロボット支援手術は,2018年4月より新たに12件の保険収載がなされた。消化器領域に関しては,食道癌,胃癌,直腸癌に対してロボット支援手術が認められ,今回胃癌に関しては,先進医療Bの多施設共同前向き臨床試験を経て保険収載が決定された。
当科では1997年より約1500件以上の腹腔鏡下胃切除(laparoscopic gastrectomy:LG),2009年より約350件以上のロボット支援下胃切除(robotic gastrectomy:RG)を施行しており,その中で改良と標準化を繰り返しつつ確立してきた術式をふまえ,ロボット支援手術の現状について述べる。