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血清ヒアルロン酸の異常値出現機序と測定意義は?

No.4939 (2018年12月22日発行) P.61

井津井康浩 (東京医科歯科大学総合教育研修センター/消化器内科講師)

登録日: 2018-12-20

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肝臓の予備能の指標として知られる血清ヒアルロン酸値の意義,および異常値の出現する機序について,文献があれば併せてご教示下さい。

(青森県 W)


【回答】

【肝臓の線維化に伴う代謝機能の低下により,様々な疾患で高値を示す】

ヒアルロン酸はムコ多糖類の一種であり,主に線維芽細胞や肝臓で産生され,血流に乗ってリンパ組織へ移行し,肝臓へ移り類洞内皮細胞により取り込まれて代謝されます。

肝臓の線維化が進むと肝星細胞のヒアルロン酸産生が亢進し,ヒアルロン酸を分解する類洞内皮細胞の代謝機能が線維化に伴い低下し,ヒアルロン酸の血中の濃度が増加します。慢性肝炎活動期や肝硬変以外で,関節リウマチ,強皮症,Werner症候群,がんの結合組織への浸潤でも高値を示すので注意が必要です。

【文献】

▶ 日本消化器病学会肝機能研究班:日消誌. 2006; 103(12):1413-9.

【回答者】

井津井康浩 東京医科歯科大学総合教育研修センター/消化器内科講師

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