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自己炎症性疾患の診断

No.4945 (2019年02月02日発行) P.51

仁科 直 (慶應義塾大学リウマチ・膠原病内科)

登録日: 2019-02-01

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【海外の基準を参考にしつつ,わが国の遺伝子診断ガイドラインに照らして判断する】

自己炎症性疾患(autoinflammatory disease)は1999年にKastnerらによって提唱された疾患概念1)で,繰り返す全身性の炎症をきたす疾患の総称である。自己炎症性疾患の診断は,主に臨床症状と遺伝子検査で行われ,海外の基準2)を参考にしつつ,わが国の遺伝子診断ガイドライン・フローチャート(自己炎症性疾患サイト http://aid.ka zusa.or.jp/2013/)に照らして判断する。

最も患者数が多いのが家族性地中海熱で,12~72時間続く38℃以上の発熱を3回以上繰り返すことを必須項目としている。コルヒチンの診断的投与を行う場合もある。遺伝子検査は必須ではないが行うことが望ましい。

代表的な疾患はほかにTNF受容体関連周期性症候群,クリオピリン関連周期熱症候群,高IgD症候群,化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・痤瘡(PAPA)症候群などがある。これらは遺伝子変異が診断に重要であり,後3者に関しては遺伝子検査が保険適用されている。日本免疫不全・自己炎症学会が中心となって遺伝子検査の体制構築を行っており,これらの疾患を疑った場合は専門施設への紹介が望ましい。指定難病になっている疾患も多く,こちらのHPも参考にしてほしい。

【文献】

1) McDermott MF, et al:Cell. 1999;97(1):133-44.

2) Federici S, et al:Ann Rheum Dis. 2015;74(5): 799-805.

【解説】

仁科 直 慶應義塾大学リウマチ・膠原病内科

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