寿命や性格まで左右するとされる「腸内フローラ」が多くのメディアで脚光を浴びるなど、「腸内環境」への注目度がますます高まっている。小林さんは「腸内環境こそが健康を左右する」として、大学病院で初めて便秘外来を開設するなど、早くから腸内環境を整えることを重視した診療を行っている。
「『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンの90%以上が腸管で作られています。便秘で腸内がダメージを受けると炎症を起こし、腸内細菌のバランスが崩れ、セロトニンの量が減ってしまいます」。セロトニンが不足するとやる気がなくなったり、精神的に不安定な状態に陥り悪化すると自立した生活ができなくなる可能性もある。また、糖尿病や高脂血症、特に認知症では「腸内環境を整えることで予後が大きく変わってくることが最近わかってきた」という。そこで小林さんの外来では「下剤からの脱皮」をテーマに腸を「内側と外側から鍛える」という視点から指導。「内側とは食事のことで、朝食を必ず摂る、乳酸菌など発酵食品、食物繊維を摂ることなどが必須です。外側とは運動的な刺激のことで、1日20~40分程度のウォーキングなどで腸の蠕動運動を強めることが重要です」
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