【質問者】
渡辺 博 帝京大学医学部附属溝口病院小児科教授
【中国製と日本製の日本脳炎ワクチンの互換性は不明である】
①中国製の日本脳炎ワクチン(弱毒生ワクチン)はどのくらい予防効果が持続するのか,②中国製と日本製の日本脳炎ワクチンには互換性があるのか,以上2点がご質問の意図と理解しました。
まず,中国の国家予防接種プログラムは,弱毒生ワクチン(SA14-14-2株)を生後8カ月および2歳の計2回,または不活化ワクチン(SA14-14-2株)を生後8カ月に2回,2歳および6歳に1回ずつ,計4回の接種スケジュールとしています1)。生ワクチンの予防効果の持続期間に関するデータは限られていますが,単回投与で5~14年と言われています2)3)。したがって,既に生ワクチンを2回接種した本児への追加接種は,しばらくの間不要と考えます。
一方で,長期の免疫獲得を考慮すると,中国製の弱毒生ワクチンに引き続き,日本製の不活化ワクチン(細胞培養,北京株)で接種の継続が可能であるか,その互換性の有無が問題となります。「互換性がある」とは,接種スケジュールの途中で製剤を変更しても有効性と安全性が保たれることを意味します。
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