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褐色細胞腫[私の治療]

No.4969 (2019年07月20日発行) P.48

田辺晶代 (国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科医長)

登録日: 2019-07-19

最終更新日: 2019-07-16

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  • 褐色細胞腫の約10%および傍神経節細胞腫(pheochromocytoma and paraganglioma:PPGL)の約30%は悪性で,骨,肺,肝臓などに転移を生じる。本症では過剰なカテコールアミンが心臓,血管系に分布する交感神経α,β受容体に作用し,血管収縮,血圧上昇,血管抵抗増大,循環血漿量減少,心拍数増加,不整脈などの循環動態の変化,耐糖能異常を引き起こす。褐色細胞腫・PPGLはクロム親和性細胞から発生する腫瘍で,約90%は副腎原発(褐色細胞腫),約10%は副腎外の交感神経節・副交感神経節原発(PPGL)である。約90%の症例はカテコールアミンを産生し,高血圧,頻脈,耐糖能異常などを呈する。

    ▶診断のポイント

    本症に特徴的な症状は血圧上昇・頻脈・発汗を伴う発作症状が知られているが,発作の自覚症状がない持続型高血圧も多くみられる。また,正常血圧例,偶発腫瘍として発見される例もある。スクリーニング検査は主に,発作性高血圧(特に蒼白発作),治療抵抗性高血圧,PPGLの既往,副腎偶発腫瘍,PPGLの家族歴を有する症例を対象に行い,血中カテコールアミン分画および尿中メタネフリン分画を測定する。高血圧などの症状を呈する症例の副腎あるいは副腎外腫瘍は径3cm以上のことが多い。

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