No.4970 (2019年07月27日発行) P.24
須田万勢 (諏訪中央病院総合診療科/リウマチ膠原病内科,聖路加国際病院リウマチ膠原病センター)
監修: 小林 只 (弘前大学医学部附属病院総合診療部)
登録日: 2019-07-29
最終更新日: 2019-07-24
〈あらすじ〉ある日,渡村リウマチクリニックに関節リウマチで通院中の若年女性が,これまで症状が出たことのない膝の外側の痛みを訴えて来院した。膝の一般的な診察で原因が突き止められない渡村に,写六が提案した意外な鑑別診断とは?
その日,うら若き25歳女性が私の定期外来にやってきた。2カ月前に発症した関節リウマチで,性格が素直なこともあって治療の反応性は良好である。ところが,数日前から右膝裏の外側がしゃがむときや歩行時に痛くなったという。ははあ,なるほど。こんな時最初に考えるのは退薬である。ちょっと良くなったのに気分を良くして,「薬を飲まなくても大丈夫なんじゃないか」と考える患者は,特に若い女性に多い。そうして受診の1~2週前に実際に薬をやめて試してみるのだ。
きっとリウマチが悪化しているのだろうと考えて膝を触ってみるが,なんと,関節裂隙にはまったく圧痛がないではないか。聞いてみると,薬はちゃんと飲んでいるとのこと。私としたことが,つい先入観でレディを疑いの目で見てしまった。失敬失敬。
詳しく病歴を取ってみると,患者データのようになる。