IgG4関連疾患は,血清IgG4の上昇と多臓器のIgG4陽性形質細胞を含むリンパ球の浸潤と線維化を特徴とする病変を認める慢性炎症性疾患であり,2011年にわが国においてその疾患概念が確立された。その中で,肺や縦隔,胸腔などの呼吸器領域に病変を認めるものをIgG4関連呼吸器疾患と称する。
稀に咳嗽,血痰,呼吸困難,胸痛などの症状を呈するが,呼吸器系に関しては多くの場合は無症状である。このため,本疾患は,健診や呼吸器以外の臓器で発症したIgG4関連疾患の精査の過程においての胸部画像検査上の異常によって発見されることが多い。
2015年1月に日本呼吸器学会誌に公表された「IgG4関連呼吸器疾患の診断基準」を表に示す1)。
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