【質問者】
小屋俊之 新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器・感染症内科准教授
【5年は治療効果が継続するが,長期の有効性や安全性に関してはまだ不明】
重症喘息は,気管支喘息の5~10%おり,年間1791人もいる喘息死に直結しています。「喘息予防・管理ガイドライン2018」では,重症喘息に対する治療として,生物学的製剤とともに気管支サーモプラスティが追加されました1)。2015年より保険収載となり,2019年4月の時点では,全国123施設で672人の患者に施行されています。ここでは気管支サーモプラスティの効果と注意点に関して概説します。
気管支サーモプラスティ治療は,高用量の吸入ステロイドおよび長時間作用性β2刺激薬で喘息症状がコントロールできない18歳以上の重症喘息患者が対象とされています。内径3~10mmの中枢気管支を対象に気管支鏡下で熱エネルギーを与えることで,重症喘息で肥厚した気道平滑筋を減少させ,気道平滑筋による気道の収縮能力を抑えるのが主要な機序です2)。治療の効果として,喘息関連QOLの改善や増悪減少や経口ステロイド減量効果が少なくとも5年間は継続することが報告されており3)4),既存の薬物療法でもQOLが障害されている患者,増悪頻度の高い患者,経口ステロイド使用患者で治療効果が期待されます。
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