【質問者】
志賀友美 岐阜大学医学部附属病院成育医療・女性科臨床講師
【いくつかの段階にわけ,途中理解が追いついているか確認しながら行う】
近年の超音波機器の発達と胎児診断の進歩により,胎児期に先天性心疾患が指摘される機会が増えています。出生前診断は周産期予後の改善に繋がる可能性があること,また医療者にとっても患者家族にとっても先天性心疾患を合併した児を迎え入れるための準備を行うことができるなどメリットも多い中,妊娠中に予期せぬニュースを受け入れなくてはならず,正確な形態診断はもちろんのこと,それと同等の慎重なカウンセリングが必要であるとされます。
ICとしては診断を行った同日に,できれば家族も一緒にお話を聞いてもらいます。内容として,できるだけわかりやすいように正常の心臓の図から説明し,その罹患児の心臓の図を記載してイメージがつきやすいようにします。疾患の予後,胎内での起こりうる変化,心外異常の合併の可能性,予測される周産期管理,出生後の手術までを一通り説明しますが,いくつか段階にわけ,途中理解が追いついているかどうか確認しながら行います。理解していると思っても頭が真っ白になってしまう家族も多く,説明内容は同時に文書化して帰宅の際にお渡しするようにしています。
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