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スクリーニングの利益と害を見積もる─個々におけるバランスを考慮する[プライマリ・ケアの理論と実践(45)]

No.4992 (2019年12月28日発行) P.8

齋藤さやか (国立病院機構霞ヶ浦医療センター総合診療科)

登録日: 2019-12-26

最終更新日: 2019-12-25

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SUMMARY
予防医療的介入を考える際には,それぞれの介入について必ず,利益と害を見積もる必要がある。利益が害を上回り,かつ害と比較して相応の利益があると判断した場合に,予防医療的介入は妥当となる。利益を見積もる際には,“number needed to screen”という数が1つの指標となる。

KEYWORD
Number needed to screen
その病気による死から1人を救うために,スクリーニングをする必要のある人数。少ないほどスクリーニングツールとしての効率がよいと考えられ,スクリーニングの利益を推し量るのに有用。

齋藤さやか (国立病院機構霞ヶ浦医療センター総合診療科)

PROFILE
名古屋大学卒業。筑波大学博士後期課程修了。医学博士。家庭医療専門医。総合内科専門医。2018年より国立病院機構霞ヶ浦医療センター総合診療科。

POLICY・座右の銘
修文練武


予防医療の原則において,「利益が害を上回るという根拠が,予防医療では特に重要である」(第44回,12月21日号参照)。今回は,「利益が害を上回っており,この予防医療を提供するだけの根拠がある(あるいは,ない)」と判断するために,利益と害をそれぞれ見積もることについて「大腸癌スクリーニング」を例に,詳しく取り上げたい。

大腸癌は年間に診断されるがんの中で,男性では第3位(年齢調整罹患率55.4人/10万人),女性では第2位(34.0人/10万人)となっており,その罹患率は米国(男性42.5人/10万人,女性33.2人/10万人)と同程度で,年々増加傾向である。大腸癌検診は1992年に老人保健法の下で始まり,40歳以上を対象として,便潜血検査が行われている。

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