乾癬のわが国における有病率は0.4~0.5%であり,欧米の2~3%に比べると少ないが,生活様式の変化とメタボリックシンドロームの増加により,有病率は増加傾向である
乾癬患者の15~30%に乾癬性関節炎(PsA)が合併する
PsAの病態は付着部炎であり,関節リウマチ(RA)との鑑別には関節エコー検査が有用である
PsAにおいて関節エコー所見と臨床症状は,しばしば異なる
乾癬性関節炎(psoriatic arthritis:PsA)は慢性の炎症性疾患であり,脊椎関節炎(spondyloarthritis:SpA)の中に含まれる。SpAはPsA以外に強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis:AS)や反応性関節炎(reactivearthritis:ReA),炎症性腸疾患に伴う関節炎(inflammatory bowel disease-SpA:IBD-SpA),分類不能型脊椎関節炎(undifferentiated SpA:uSpA)などを含んだ疾患群である。SpAの主な病態は付着部炎であり,1995年にLehtinenらがSpA,PsAにおける関節エコーを用いた付着部炎の同定について報告した。近年エコーの機械の進歩により,さらに詳細に構造,血流の変化をとらえることができるようになり,早期診断,治療介入が可能になっている。
本稿ではPsAの疫学,病態,診断と関節エコーの実際について述べる。