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慢性咳嗽の診断と治療について

No.5019 (2020年07月04日発行) P.53

倉島一喜 (埼玉県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器内科感染症対策部長)

石浦嘉久  (関西医科大学内科学第一講座呼吸器腫瘍アレルギー内科教授)

野村昌作  (関西医科大学内科学第一講座主任教授・副学長)

登録日: 2020-07-03

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  • 長引く咳は呼吸器の日常診療で最もよく遭遇する症状のひとつですが,その診断と治療は必ずしも簡単ではありません。最近,「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」が発刊されました。慢性咳嗽の診断と治療の概略についてご教示下さい。
    関西医科大学・石浦嘉久先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    倉島一喜 埼玉県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器内科感染症対策部長


    【回答】

    【湿性か乾性かで投与薬を使いわけ,効果の有無を見て次の投与薬を選択】

    咳嗽は,一般診療所を受診する理由の中で最も多い症状です。医療機関を受診していない人でも,10.2%が咳嗽を有していることが判明しています1)

    咳嗽は,その性状により「湿性咳嗽」と「乾性咳嗽」に分類され,さらにその持続期間によって,3週未満の「急性咳嗽」,3週間以上持続する「遷延性咳嗽」,8週間以上持続する「慢性咳嗽」に分類されます2)3)

    慢性咳嗽は感染が原因となることは稀であり,アレルギーが大きく関与するとされています。慢性咳嗽の病態を加味した治療的診断にあたっては,第一に胸部X線,採血などで感染症や肺癌などの疾患を除外します。

    (1)湿性の慢性咳嗽の診断と治療

    湿性咳嗽であれば,咳嗽の原因は喀痰の喀出です。好中球性の気道炎症である副鼻腔気管支症候群を第一に疑い,去痰薬と14,15員環系マクロライド系抗菌薬を投与し,効果があれば薬剤を減量・中止します2)3)。咳嗽が残存または薬剤が無効である場合には,他の原因疾患を検索します。

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