【質問者】
笠間和典 四谷メディカルキューブ減量・糖尿病 外科センターセンター長
【標準治療となった腹腔鏡手術を超えることを期待】
早期胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術や胃全摘術は,既にその安全性が認められ,治療ガイドラインにも収載されており,現在,進行胃癌に対する安全性や予後の検証が行われつつあります1)2)。当科では,1994年に胃癌に対する腹腔鏡手術導入後,その手技を確立し,2000年代より高度進行胃癌(cT4bN2M0)に対しても腹腔鏡下胃切除術(laparoscopic gastrectomy:LG)を適応としてきました。
一方,胃癌に対するロボット支援下手術(robotic gastrectomy:RG)は,わが国では2009年にda Vinci®システムが薬事承認され,2018年4月の診療報酬改定でRGの幽門側胃切除術,噴門側胃切除術,胃全摘術が承認され,現在に至っています。da Vinci®は,2020年3月の時点で約400台が国内で稼働し,2018年にはRG幽門側胃切除術が約1100例,胃全摘術が約230例実施され,近年では全胃癌腹腔鏡手術の約1~2割を占めるようになりました。
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