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家族志向のケア[3]─家族ライフサイクル[プライマリ・ケアの理論と実践(78)]

No.5035 (2020年10月24日発行) P.12

中村奈保子 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野(修士課程))

登録日: 2020-10-22

最終更新日: 2020-10-21

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SUMMARY
患者の健康問題と家族との関わりあいを見る視点は臨床上重要である。家族を知るためのツールに家族ライフサイクルがあり,典型的な家族の発達過程を知ることで,患者・家族が置かれた状況や抱える課題をイメージしやすくなる。

KEYWORD
家族ライフサイクル
夫婦に子どもが生まれたときに家族の関係性や生活を変えていくように,家族が発達していく過程と発達の各段階で生じる課題を表したひな形。

中村奈保子〔岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野(修士課程)〕

PROFILE
岡山家庭医療センターで家庭医療を学び,現在は岡山県内の診療所や病院で診療をしながら,岡山大学大学院で疫学・衛生学を学んでいる。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医。

POLICY・座右の銘
自分も周りもHappyに

1 患者の家族を知る

高齢患者を自宅に退院させるとき,あるいは幼い兄弟を持つ小児患者を入院させるときを想像してみてほしい。多くの医師が,方針を決める際に,患者の家族構成および誰が患者のケアを担うか,そして患者の病が家族にどう影響するかといったことを考えるのではないだろうか。このように,患者の病から家族に視点を移すことは,他にも患者の健康問題に家族内のストレスが影響していそうな場合に,原因や方針を考えていくのに役立つ。つまり,患者の家族を知ることは,ただ患者との関係性を良くする手段ではなく,臨床上も重要で効率的なものなのである。

家族を知る第一歩は家族図(No.5032参照)であり,これにより家族構成やメンバー間のつながりが視覚的に理解できる。本稿では,さらに詳しく家族の状況をイメージするためのツールとして家族ライフサイクルを紹介する。

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