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過敏性肺炎の診断について

No.5035 (2020年10月24日発行) P.41

早稲田優子 (福井大学病態制御医学講座内科学(3))

岡本 師  (東京医科歯科大学呼吸器内科)

登録日: 2020-10-26

最終更新日: 2020-10-21

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  • 過敏性肺炎の診断についてご教示下さい。東京医科歯科大学・岡本 師先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    早稲田優子 福井大学病態制御医学講座内科学(3)


    【回答】

    【曝露歴,HRCT所見,BAL所見,免疫学的検査が重要】

    過敏性肺炎は臨床像から急性と慢性に分類されます。急性過敏性肺炎は特徴的臨床像から診断が比較的容易ですが,慢性過敏性肺炎は特発性肺線維症と類似した臨床像を示します。慢性過敏性肺炎は抗原回避を中心に治療介入が可能な疾患であり,両者の鑑別が重要です。

    (1)急性過敏性肺炎

    急性過敏性肺炎は,抗原回避により症候が改善しても,環境誘発により再燃する点が特徴です。特異抗体検出や環境誘発試験などを行い,環境から原因抗原を同定することが望まれます。

    胸部HRCT(high resolution CT)では,小葉中心性の粒状陰影,モザイク分布のすりガラス状陰影を認め,病理像はリンパ球主体の胞隔炎,100~150μm程度の疎な肉芽腫,肺胞腔内器質化(Masson体),呼吸細気管支を中心とする細気管支炎を認めます。BAL液の総細胞数の増加,リンパ球増加も重要な所見です。

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